Bluetooth 4.0 のLow energyが面白い

新型のMac miniMacBook Airが発表されました。これらはPCとしてBluetooh 4.0を搭載した初めての製品だそうです。Bluetooth 4.0には、超低消費電力の通信規格が盛り込まれていて、これを使うことで電池1つで1年間ほど動作する無線デバイスが可能になります。
iOSの製品開発やアプリ開発において、これは面白い切り口が多く作れそうなので、ざざっとメモをまとめてみました。

Low energyって何?

技術の経緯や内容詳細はBluetooth Low Energy - Wikipediahttp://journal.mycom.co.jp/articles/2011/05/12/bluetooth_le/index.htmlを参照ください。ボタン電池(例えばPCのマザーボードのバックアップ電源に使われるCR2032リチウム電池 、3V、220mAh)1つで数カ月から1年程度の長期間動作します。

超低消費電力の無線ネットワーク市場

超低消費電力無線デバイスは、スポーツ機器、健康管理および医療機器などの分野で、欧米では数多くの製品が出ています。例えばhttp://www.wahoofitness.com/Products/Products.aspでは、自転車のコンピュータ、心拍計などトレーニングをより楽しくするデバイスが発売されています。

従来と何が違う

既存の超低消費電力無線とBluetooth 4.0との違いは:

  • 搭載端末普及数
  • ブランド
  • AndrodiとiOSで共に使える

と考えます。
例えば次期iPhoneが今回の新型Macと同じくBluetooth 4.0を搭載すれば、1晩で1000万台レベルの対応機種が世界に普及し、ほぼ新機種に置き換わる2年後には全世界のiOSユーザは標準でそれらのデバイスが使えることになります。既存の超低消費電力ネットワーク、例えばANT+やZigbee、には送受信の装置をドック接続せねばならず、またそれらの価格は60ドル程度するため、ニッチを脱することは難しいでしょう。送受信の機能が標準搭載となる意味は、普及台数、そこにあると思います。
またBluetoothという規格名称のブランドがあります。これまでの名称が引き続き使えることは、対応周辺機器の豊富さなどで、ユーザにはそのまま受け入れることができるものとなります。
さらにAndroidiOSで現在利用できるメリットがあります。現在共通利用できるインタフェースはWiFiがありますが、モジュール価格は60ドル程度と高価で、製品価格がそれに見合うものにしか使えません。またAd Hoc接続の設定の手間もあります。

開発には

(2011年11月16日修正)
Macの対応とあわせて、iPhone4SからBluetooth 4.0対応となりました。アプリの開発は、Welcome |Apple Developer Forumsの最後から2つめの緑背景の投稿のように、MFiが不要となります。またiPhone4SのBluetooth4 LEのデバイスを使うサンプルコードはYouTubeの説明リンク先から入手できます。
カスタムハードウェア開発は、モジュールを利用するか、あるいは自社でトランシーバを搭載して技術基準適合証明(いわゆる、技適)を取ることになります。トランシーバのコストは、マイコンまで搭載したワンチップのものが2ドル程度http://focus.tij.co.jp/jp/analog/docs/analogsplash.tsp?contentId=65739です。仮にモジュールをを使うとしても、既存のZigbeeやANT+のように20ドル程度のモジュールも出てくるのではと思います。

今から開発するには

TIから開発用のキットが100ドル程度で販売されています。またDigikeyにも評価ボードが各種あります。まずは新型Macと接続するデバイスを開発して、来るBluetooth 4.0時代に備えたノウハウ蓄積ができそうです。