ホームページを閉鎖しました

2011年9月で独立して満2年になるのですが、1.5カ年公開していた個人事業主としてのホームページ(www.reinforce-lab.com)を閉鎖しました。理由は、一言で言ってしまえば、ろくな目に合わないから、です。その理由を自分なりにまとめてみます。

公開実績

ホームページは営業の顔と思っていました。全く人脈もなにもない個人として独立しましたが、お仕事を作るかもらうかしなければ、生計が立ちません。お仕事を作るといっても、独立当初はObj-Cをこれから学習する段階で、iOSアプリ開発者としてAppStoreでアプリを販売して採算を得る実績も見通し(自信)もありませんでした。そこでお仕事をもらう、受託開発をすることにしました。それには仕事を発注する方を見つけなければなりません。関東圏にはアプリ開発者の求人も案件もたくさんありましたが、関東でその他大勢になるのは嫌だし、おそらく数年先には自分は生き残らないだろうと感じたので、居住する蒲郡で仕事をすることにしました。そのため、まだ顔も知らない発注者に向けて、自分ができる技術範囲やスタンス、見積もり方法と金額、の情報まとめと、問い合わせフォームを掲載したホームページを立ち上げていました。

1.5カ年での問い合わせ実績は10件ありました。うち受注となったのは2件ありました。うち1件は大垣のモバイルコアでのプレゼンテーションを見た方からの問い合わせでした。したがって、純粋にホームページから受注に至った件数は1件ですが、これは後述するようにトラブルとなりました。

問い合わせに答える効率の悪さ

ホームページから問い合わせをもらったあとは、メールおよびSkypeを使いネットで打ち合わせをして、そのあとリアルで会って詳細な話をする流れになります。ここで、自分の信条が相手の利得最大化なので、知っている情報および相手に最適だと自分が判断する幾つかの提案、を出していきます。これには、それなりの時間がかかります。そして1.5カ年の結果が受注は1件でした。

自分が出した手間と得たものを、実績でみると、納得できるものではありませんでした。

トラブル発生

個人とはいえ、1ヶ月も仕事をすれば軽く3桁の見積金額になります。相手から見て自分は業績がない、しかも個人ですし、また自分から見て相手は、いくら打ち合わせをしてもよく知らない人には違いはないので、自分自身が仕事を受けることに怖さを感じていました。そこで、この2年は、最初のお仕事は15万円から30万円程度の金額範囲にして、もしもお互いにトラブルがあっても笑って済む程度にしていました。それでも、先のウェブで受注した後者の1件は、お互いに言葉が通じずにトラブルとなっています。秘密保持契約がありますから、詳細がかけないのですが、うまく民事訴訟に持って行けて情報が公開できれば、1つのサンプルとして参考になるかと思いますから、ここで紹介しようと思います。

トラブルは、それがどんな些細なものでも、大きな心理ストレスになります。ちょうど、指に刺さった小さいトゲが、キーボードを叩くたびに痛みを生じて、本来の仕事に集中できないような、いやらしい状態になります。トゲを抜くにも、誤記を消しゴムで消すようにはできませんから、時間がかかります。結局、これは私の大きな損害です。

ホームページは自分にとって意味があったのだろうか

自分にとってホームページは意味があったのかと考えてみます。外部から見て、自分は:

  • どこの誰か(経歴や実務能力)、
  • どんな人か(仕事の話が通じるのかの段階からして不明)、

ですから、不安が大きく発注しないと思います。その不安に答える情報提供の場として、問い合わせにはならなくても、ホームページは意味があったと思います。

次に自分からみてホームページは:

  • 不特定多数からの問い合わせ受付(技術も背景も全く違う状態からすりあわせする手間が発生)、
  • 個人事業主の情報は個人情報になっている(公開するのが怖く感じる)、

となります。当初は人脈も業績もないためホームページを立ち上げるしかなかったのですが、2年間やってきて流れができだすと、不特定多数を相手にする仕事内容ではなくなり、また個人情報をネットに公開する怖さは大きいため、メリットがありません。

現在のお仕事は、ツイッターFacebookの、いわゆるソーシャルなつながりの中から、得られています。このソーシャルの流れが得られるのにホームページが役になったのだろうかと思い返すのですが、それはないと思います。結局のところ、ホームページが役に立ったと思える具体的なことがらは、思いつけないままです。

今後

今得られているつながりと流れを大切にして、出会った方の利得最大化のために、価値の提供を進めていきます。つまり、現状、不特定多数を相手にする時間はありません。実務としても、1回プロジェクトを始めれば3ヶ月程度かかりますから、次の仕事をうけられる機会は1年に4回、そうすると問い合わせをもらっても着手まで平均待ち時間1.5ヶ月となります。個人であるため、こうなってしまうのですが、実務としても不特定多数から仕事を受けられる体制にはありません。

また、個人開発者としての情報の出し方も、ホームページのような不特定多数に向けたものではなく、具体的なプロジェクト、例えばいま進めているOTOduinoのような、として情報を作りまとめ発信して、そのなかで、自分の役割として、カスタマイズやライセンシング、製造販売を担当する者として、登場すればいいだろうと思っています。