パソコンに接続する機器の絶縁確保に便利なUSB物理層のアイソレータ

ワンチップでUSB物理層を電気的に絶縁するICが米Analog Devices社から出るそうです http://eetimes.jp/article/23041/ADUM4160 Datasheet and Product Info | Analog Devices.これまで設計したUSB接続機器のUSBコネクタの隣にこのチップを置くことで,この絶縁耐性が得られるわけです.

絶縁耐性は5kVrms値(1分間)を確保しており、絶縁素子に関する海外の安全規格であるUL 1577規格やVDE 0884-10のほか、医療機器の安全規格であるIEC 60601-1それぞれの認定を申請中だという。

IC内部に絶縁されたコイルがあり,そのコイル間で電力およびデータを伝送するとのことです.

医療機器開発で,光ファイバーなどの独自開発の物理層Ethernetなどを利用していた機器を,USB接続で解決するよい方法です.できれば,これは絶縁されたUSB端子だと明瞭に分かるマークが提供されれば,ユーザの安心感につながるかと思います.

生体と電気的にわけの分からない機器の間に電気的な接続があって感電でも起こしたら一大事ですから,生体向けの電子機器の測定データのダウンロードや制御に,ユーザが簡単に用意できるパソコンを繋げられるように設計すると,電気的な絶縁確保は必須機能になります.

とはいっても光ファイバーやらの独自の物理層を作るのはコストもかかるしユーザのパソコンにすぐつなげないと,何かと困り者でした.パルストランスで電気的に絶縁されて一般的なインタフェースとしてEthernetを使ったりもしたのですが,正しいネットワーク設定ができていくてトラブルなど,サービスとしてはいまいちな点がありました.(簡単に無線化できるメリットもあるのですが,不特定多数が利用する機器設計では,利用者も設計者にとっても,接続が目で確認できる有線接続の安心感は絶大なものがあります.)

ADUM4160 Datasheet and Product Info | Analog Devicesに価格はまだ表示されていませんが,光ファイバやフォトカプラ,トランスなどの外付け部品なしに物理層を絶縁できる利点は大きいと思います.USB機器開発にはhttp://www.ftdichip.com/が提供する,レガシーなEIA-232CなどをUSBに置換できるICおよびドライバが便利でしょう.