無線コントロールモジュールを設計するならOneNetか

ホームオートメーションの無線リモコンが気になり,屋内の無線コントローラを自作するなら,どんな方法がいいかを調べてみました.

ちょっと検索するだけでも日本国内で微弱電波および特定小電力製品として様々な製品が発売されています.共立電子の無線コントロールモジュールがAmazonで取り扱いamazon:無線コントロールモジュールがあり,これを使うのがもっとも手軽かもしれません.

これらの製品をみると,それぞれが独自に設計されていて相互運用はまず不可能そうです.同じ会社の製品を使い1対1通信させるには手軽ですが,それ以上のことをさせるのは困難です.

そこで自作向きの無線モジュールの設計情報を探したところ,通信プロトコルなどの仕様とハードウェアとソフトウェアの設計例をオープンソースで公開しているプロジェクトhttp://www.one-net.info/がありました.
ライセンスはBSDライセンスですから,(GPLと違い)この設計情報を元に開発してもソースコードの公開義務が生じませんから,使いやすいプロジェクトでしょう.

IDを登録するだけで個人でもファイルを参照できたので,ざっと仕様書を見てみました.データ転送レートは生であれば最低38.4kbpsあります.周波数は,アメリカであれば902~928MHzのISM帯,変調はFSK,通信距離は屋外で500m程度,トポロジーはメッシュとスターおよび1対1が構築可能で,メッシュであれば通信領域を拡大できるそうです.
パケットのペイロードの定義をみると,温度,湿度,圧力などの物理量に加えて,ホームオートメーションに広く使われている通信規格X10とINSTEONも記載があります.家庭内で簡単に使える無線通信規格を意識して作られているのかと思います.

これが$1~2のコストで作れるのですから,かなりお手軽で採用したくなります.ただ日本国内での使用のネックになるのが周波数.仕様書にはアメリカとヨーロッパでの使用周波数のみが書かれています.そしてアメリカでOneNetに使用する902~928MHzは日本では自由には使用できない周波数帯です.日本国内では,使用する周波数をどこにするかを解決しないと使えないこと,そして使用する周波数が違えばアメリカ向けと日本向けの製品では相互運用できないこと,が問題になりそうです.

お手軽で安価な無線通信規格にZigBeeなどがありますが,こちらはさっぱり普及しません.OneNetのようなオープンな技術ならばお手軽に普及できそうなのに,周波数の問題で使えないのがとても残念です.(規格にアメリカとヨーロッパしかないのって,その他の国は日本を含めて市場として相手にされていなのかと思いますが.)