プロジェクトを設計できないで,なにが"IT"エンジニアか?

"リーン開発の本質"を読み込んでいます.55ページにあるGoogleの記述などは,自分の"IT"エンジニアの勘違いを正してくれるために,興味深くて役に立ちます.

計算機科学の専門家である彼らが自分たちのプロジェクトに待ち行列の理論を適用することは至極当然のことなのであろう.
検索などの処理は小さいタスクに切り分けられて待ち行列に入り,多数の計算機のいずれかで素早く処理される.そのシステムを構築する考えはプロジェクト運営にも適用されるのだ.
プロジェクトのタスクは1つの小さい単位にまとめられて待ち行列に入る.待ち行列から開発者はタスクを取り出して,それを解決する.待ち行列は短く保つべきだ.7年先まで処理されない長い待ち行列を希望する顧客が,どこにいるというのだろうか.

"情報処理"は計算機に限る話ではない,大昔から"情報処理"技術はあったのだと気づきました.今までに私が考えていた"情報処理技術者"は,膨大な文書の検索やデータマイニングなどの処理を,いかに計算機能力をフル活用して解決するかだと勘違いしていました.

目的と手段を勘違いしていた,そんな感じがします.紙と鉛筆そして電話だけでも,高度な情報処理はできる(処理時間とコストはかかるかもしれませんが)し,逆に高速なスパコンがあっても単なる足し算の繰り返し位しかできないかもしれない(価値を生まない)のですね.

プロジェクトのデザインの失敗から"デスマーチ"に落ちているとすれば,それはすでに情報技術者ではない,と思えてきました.