わふわふ個人規模事業と法人化

はじめに

フリーランスの3年目にはいり、事業を継続してやりたいと思うと、法人が欲しいと思うことがあったので、その経過となぜ必要なのかの分析、そしてどう動きたいのかをメモします。事業規模は社員数1桁台、事業目的は私個人が事業を楽しむことの最大化です。

今の商売内容

私の商売内容は、iPhoneのアクセサリやハードウェア開発、そして画像処理や動画像解析のアルゴリズム開発とその実装、イヤホン端子を使うデータ通信ハードウェアの開発など、”だれでもはできない”、"考えついた人はいただろうが商品としてはまだなかった"、ところの研究開発と試作です。いまのところハードウェア寄りの案件が多いです。

商売内容の特徴

商材はミドルウェアになります。アイディアを実現するための鍵ですが、案件個別でカスタムすることなないか、小さい、ソフトウェアおよびハードウェアのセットになります。ですから、特定案件向けに開発しても、それをそのまま他社に再販することが可能です。
例え開発のきっかけが受託案件であっても、アプリ開発ミドルウェアでは、再利用のしやすさが全く違います。開発スタート時点で、顧客の要望にあわせて一品物で作っていくアプリ受託開発では、画像やソースコードの再利用は意図していないとできませんが、ミドルウェア開発は別の方にお任せするアプリ開発との繋ぎこみ部分を最初から考えて作るので、自然と再利用可能な形にできあがります。

いまどきの開発展開

個人という立ち位置もあると思うのですが、取引先はこれから起業する方、クリエイタ集団が多いです。
アイディアや作りたいもののイメージがあるが、それを形にするところで人を探している、場合に私がヒットしてツイッター等で問い合わせをされるパターンが、最近の流れです。このような開発では、当初の資金規模はあまりなく、事業計画やその将来性が大きな価値を持っている状態でスタートすることになります。(話がずれますが、いまどき銀行からお金を借りて起業する人はいない、をリアルに目にできたのは、いい経験になっています。)
ですから、開発といっても、予算規模は小さいです。また事業展開に必要な道具を求めているので、その実現方法がソフトにするかハードにするか、製造コストや展開のしやすさなど、事業に合っているかまでを聞いて最適案を提案する、技術についてはコンサル的な立ち位置も取ります。
これらの方々が求めているものの要素は、共通化できるものではないので、思いつくまでに列挙すると:

  • iPhone単体ではできない+アルファの機能が欲しい
    • Bumpみたいな、iPhoneがあればできるアイディアで事業は考古学の時代
  • 形状識別など、見た目に違いが強烈に伝わる、他社が持ってないかラインセスしているところがない、画像処理アルゴリズム
  • おもちゃとかおもしろさの単品開発に必要な、イヤホン端子通信とか

iPhone単体で実現できるアイディアはこの3年で出尽くし、そのいくつかは起業になったでしょう。ですが、出尽くしたのだろうと思います。またiPhone以前の昔からあった、例えばソーシャルゲームなど人間の群れのなかでボスになる三国志的な競争とそこで勝つ優越感を味わせる商売、は場をiPhoneにうつしても今後も売上を上げ続けると思います。今後はiPhoneだから生まれる新しいソーシャルななにかはあると思いますが、それはソフト開発ではなくてコミュニティ構築の商売だと思います。
そんな状況で、iPhone単体を超えたプラスアルファなものを追加して生まれる価値には、 他の人にはその発想がない、あるいは発想があっても実現ができないから、1年程度は先を行ける、特徴が生まれるのでしょう。

受託のはずが、なぜかユニークになっていく

いまiPhone+ハードウェアでうれしい事業の形をまとめます。使い先により、立ち位置も価値観も違い、もしも私が会社の中で担当していたらと考えると、会社組織が足かせになる場面もあるかと思います。
1つは、既存企業ではすでに自社が持っている商品やサービスをiPhoneという切り口で新しく見せられる、そこに必要になる例えばイヤホン端子でデータ通信をするなど、今日動いている知財の調査が完了していていお金を支払うだけまで準備が整った技術を提供できることがあります。これはすでに開発が完了したミドルウェアの採用の流れで、従来の開発特化な会社でもよくあるパターンと思います。
2つは、既存企業で、ある目的をやりたいが、そのアルゴリズムすら分からない開発があります。こちらは、ある程度その分野の専門家であっても、直ぐに解決が浮かばない場合のもので、計画や見積もりがあっても着手をするとそこから大きく外れることや、したがって受託でうけると都度追加分を見積もり請求の手間が発生するタイプです。こちらは、お互いに読めないことを認めた上で、ざっとしたお金を受け取り、専門分野に過度に拘泥せず、進めていくものです。お金だけを見るとメリットが薄いかもしれませんが、一緒に競業をしながら作るという機会があること、そして何かを産み出そうと活動しつづけることになるので、その中から生まれる価値は、他にないという1点だけでも、とても大きなものになる可能性があります。予測が難しい所はあるのですが、過程が面白い上に、その先に大きな利益もあるのではないかと期待させるので、外部からリソースの使い方についての注文が入らない経営をしているならば、これは楽しいやり方になりうります。
3つめは、これから起業する場合で、その実現にハードウェアという要素を求めるものです。こちらは、相談を寄せられた時点でハードがいいのかソフトがいいのか、あるいはそれ以外の解決方法がないのかなど、事業の運営視点からの提案から始まります。私の利益を最大にするならば、私が持っているリソースを高い価値観で受け取ってもらえる方向に話をするのがいいのですが、そうせずに相手の目線で最適を提案することで、自分の想像を超えた価値観が見られ、そこから次の私のやり方につながっていく気がします。例えば、起業でハードが必要なのだけれど、それは例えばウェブのデータをリアルなモノにする加工装置で、その加工装置は事業の鍵ではあるのだけれど、装置で儲けようとは思っていない。わざわざオープンソースにする気はないのだけれど、もしも宣伝効果やお客が自身でメンテや使いこなす助けになるなら、そうしてもいいという、普通のハードウェアメーカでは前例がない発想をしたりします。こんな場所にライセンス販売の目線で参加していては、自社の成果物をオープンソースにしてくれと言われ、その場で判断返答ができないようでは、相手にとっては役に立ちません。ですが、考えなおすとハードウェア開発を目的で作ったとはいえ、それを公開してしまって、そのハードとからむウェブやアプリのリソースのほうをライセンスすると相手の目線から見直すことで、自分の立ち位置が変えられます。次にこの流れが、その視点ならばうちでも使いたいと、次のお客さんにつながっているのかもしれません。

個人だけだとやりにくくなってきた

これまでだと、相手もお金があるわけではななど事情があるので、個人事業主に開発を出すパターンでもいけました。逆に、個人で受けているので、計画外の経費でも都度相談せず個人の方で吸収したり、逆に並行している他の案件が切羽詰まって納期がぼんやりとしてしまう状況もある程度は許していただけたのかな、というところもあります。
ですが2年ほどやっていて、成果として形ができて、利用可能なものにまとまってくると、その知財や権利の所有者と、それを売る場所が必要となってきました。この1年間は、役員として会社に入らせてもらって、そこに技術を種として提供して、商品化を会社という中でいっしょにやり、売れて利益が出たら分配しようという形で、法人の着ぐるみを借りられていました。ですが、その技術のタネ自体を扱うとなると、それを権利委譲しても、そこからの開発カスタムや発展させていこうとすると、もともとその目的で作られている法人ではなく、また私が楽しみたいという欲望を満たすために私が制御したい欲があります。
さらに対外でも法人が必要な場面がでてきました。例えばですが、iPhoneのアクセサリ開発のMFiへの参加、あるいは電波を発信する機器の許認可申請など、費用も含めて個人の肩書きでは、やりにくい場面がでてきています。

いまどき開発、何が価値があるか

今の自分の立ち位置を見直すために、ながながと、現状、を書いてみました。過去のことは明日に活かしてこそ価値があるので、じゃ、今日からはどうしようかを、まとめてみるとなのですが:

  • リスクの高い研究開発
    • 先が見えません。ある程度の初期費用でお互いに納得して、そこから先はお互いに手弁当状態で利益が出るところまでやりきると考えて、ぼちぼちやる感じ
  • ハードウェアの開発とライセンスなのにオープンソース
    • 相手の事業ではハードウェアが必須だけど、ハードウェアを売りたいわけではない場合がほとんど
    • ひょっとしたらオープンソースにしたらメリットがあるかもしれない
    • ならば自社がハードを核にしていてもハードを使うためのライブラリ、アプリ等、そのプラスアルファの部分を利益として、そのためにハードをオープン化する
    • 例えハードがオープンでも、製造、検査、出荷、のプロとしての仕事が事業が要求する
    • 結局、果たす役割がそこに生まれる
散文ですが

思いつくままに書き散らしてみました。いまある会社組織で動いていれば、今までの産業のなかで稼ぐことができると思います。私は今の時代に稼ごうとするので、いまの時代にあわせて組織から作ろうとしています。ですから、こんな感じになっているのかもしれません。