6月4日、合同会社リイン、はじまります

6月4日を設立日にして法人リインを作ろうと思っています。その経緯や今考えていることを書き留めます。

法人を作る目的は

世の中でフリーランスが法人を作ることを、法人成りと言います。法人成りをする目的は、一般には節税です。所得が800万円を超えるあたりから、個人所得への課税額よりも法人課税額のほうが、法人にかかる経費を入れても小さくなり利得が出てきます。個人での所得が800万円を超えるのは成功したフリーランスと呼べると思いますが、そのような人たちが法人を作る様を、法人成り、と読んでいます。

私の場合はそこまで所得が得られているわけではなく、節税目的ではありません。自分の生活と事業活動を明確に切り分けるのが大きな目的です。

というのは、自宅で独身でSOHOでフリーランスをしていると、もともとプログラミングや技術は好きなため、個人の好みとしての活動と仕事としての活動の区切りが精神的にも物理的にも曖昧で、24時間働いているような、24時間遊んでいるような気持ちになります。24時間働いていると感じると、その緊張感から精神も肉体も疲弊します。24時間遊んでいると感じると、収入が途絶えるのではないかと恐怖感で、やはり、精神も肉体も疲弊します。フリーランスという立ち位置だけで活動を継続することが、つらくなってきたのです。

そのため、区切りを作る複数の手段の1つとして、法人という器を作りそれを利用していこうと考えています。

社名を決める過程など

個人事業の屋号がリインフォース・ラボですが、これはTVアニメ 魔法少女リリカルなのは の登場人物からもらっています。リインも、リインフォースツヴァイク曹長の名称を縮めて、いただきました。商号を、リインフォース・ツヴァイ、とすると、知的所有権としてあからさまに侵害しているので、リイン、としました。

英語の辞典でリインと引くと、馬の手綱、そこから意味が転じて制御や統制を意味する、rein、という単語があります。フリーランス時代に生み出した知的生産物を蓄積して、それら資本を制御していく統合制御の器として、いい名前だと思います。また元々の祝福の風rein-force のほかに 輪廻 rein-carnation という意味もあります。人を助ける手段となるべし、またもともと無限転生の機能を所有する魔導書さんですから、輪廻という概念への結びつきも、結構いい感じです。

これに加えてleanという単語があります。これは無駄のない、贅肉のない、貧相な、という削ぎ落したイメージの単語で、技術分野ではリーン開発という、無駄を省いた開発手法を指す用語として知られています。なるべく楽をするために、リーン、を目指そうという方向性も商号に含められそうです。英語発音ではreinとlean、この2つの単語は発音が異なりますが、カタカナ表記では”リイン”とすれば、すべての意味を統合した単語にできるのが、便利です。

設立日は6月4日です。リインフォース・ツヴァイの誕生日設定がわからないので、そのマスターであるはやてちゃんの誕生日にしておこうと思います。覚えやすさも、大切です。

現代の魔法使いのデバイスは法人かも

魔法少女リリカルなのはに登場した夜天の書ことリインフォースさんは、各地の優れた魔導師の技術を収集記録し、魔力を蓄積するストレージタイプのデバイスでした。現代の魔法使いことフリーランスにも、技術成果物および特許などの排他的な権利をもたせる主体として、および資本を蓄積する存在として、法人は必要かなと思っています。

法律では、普通の人を自然人とよび、これとは別に仮想的な人として法人を定義して、この人格に出資資金や財産を持たせることを認めています。ですから法律上人と認められるデバイスとして、リインフォースさん、リアルに作れるわけです。

法人の種類にもいくつかあり、会社法で決められる株式会社、合同会社、合名会社、合資会社。別の法律で決められる、技術研究組合、という組合形式もあります。それぞれ、資本を集めて事業をなすための、法人という仮想の人格の定義です。ただし、資本の出し方や運営方法、そして利益配分などの要求パターンにあわせて、法人の種類が発生します。
私の場合は、出資を募り規模拡大を目指すのに適した株式会社よりも、機関の設計が容易な合同会社がいいかなと思っています。

法人に権利や成果物をためていく

お仕事でいろいろな会社と絡んでいくと、技術成果物や権利が発生します。もしもそれが相手側にすべてもたれると、自分が開発した成果物に縛られて、他で同じ仕事をしたら訴えられる、なんて事態を招きます。もしもその技術が自分ができるものであったとしても、それは相手が持っている権利なので、どうしようもありません。このときに、相手の会社に個人として権利を持たせてくれ、と交渉しても、法人でなければ交渉のテーブルにつけません。なぜだか、私にはわからないのですが、なぜか法人のほうが個人より信用されるそうです。

従業員なら、問題はないでしょう。労働と資本の結合たる器の中で、すべての成果物を引き渡すことで、給与が上がるという利益を同じくするわけですから。しかしフリーランスでは、開発までのお付き合いで、その後の製造販売の利益を生み出す活動自体はノータッチ、利益を同じくしない状態になります。そこで権利でロックされると大変困るわけです。その場合は、ロイヤリティーをもらうとか、お互いの利益を考える必要があります。従業員なやり方では、付き合えないのです。

そのために、権利や成果物を蓄積するデバイスとして、法人を求めています。

ですがこの働き方、別に新しいわけではないです。例えば、名を上げた建築士がいる建築設計事務所は、個人の技量で仕事を引っ張ってきて、成果物として自分ブランドな建築物を設計し、それをスタッフも雇って遂行しているわけです。技術開発をそれと同じ形でまわそうとすると、成果物に付随した特許で、将来の仕事をロックされてはかなわないので、その対応が必要です。

この働き方、設計エンジニアでも当たり前になるかもしれません。

いま、試作に使うレーザ加工や3Dプリンタ、3D CADでの設計、量産の金型製作に組立など、ものすごい勢いで仕事が小口化、テンプレート化されて、少数から量産まで、オンラインで直ちに見積もりすぐに発注できる会社が、各業種でどんどん出てきています。そして、小口の仕事を大量に集めて流す会社は、設備の遊ぶ時間が極めて少なく一定品質でルーチン的に処理することで固定費を超える利益を出し、その利益が試作から生まれる特殊な案件に対応する体力となり、特殊な案件に対応していくなかで次のニーズへの対応が実務の中で自然と醸しだされて、どんどん強くなっていく正帰還がかかるわけです。そして、その協力なインフラ化したサービスが、初期費用0で利用できるわけです。もう自社リソースじゃないのだから、大企業じゃないとできないなんて、過去になりました。

こんな会社が各業界ごとにあ世界では、初期投資が極めて小さくなり、使った分だけの従量課金で運用ができます。自社組織で用意することがないため、自社のスケールが大きくなってもスケールメリットが生じません。このような組織では中の人が決定的に重要になります。になるのが、中の人。なにせ、ルーチン化された試作/分析/製造で出てきた結果がいいか悪いか評価する、次に取る行動を考える、意思決定するのは、中の人の仕事だから。ここは判断の主体が自分なのだから、変わりようがない。そうすると、いままではルーチンワーク的なエンジニアも社内に必要だったのが不要となり、そのかわり、エンジンを使い意思判断をして価値を生み出す人が必要になる。それって、経営者ですよね。

こんな世界だと、新卒者はまずどこかの”事務所”で下働き的に働き、数年で実力と経験、ノウハウをみにつけて、また自分も独立する(暖簾分け)のが、当たり前になるかも。昔からある、京セラのアメーバ経営など、経営の見える化ツールが、その時には道具として使えるかもしれないと思っています。

世界に提案する価値観

せっかく法人をつくるので、ソニーの設立趣意書の闊達なる工場、みたいな価値観を提案してみようと思います。

高度経済成長による物質的な豊かさの達成、その後につづく百貨店や宅配などの物理的な流通革命、そしてインターネットの情報流通革命ときました。今着ているのが、それらを通して蓄積した資材やノウハウを極端に大きくスケールメリットをきかせたインフラを小口化して提供する各種クラウドなサービス時代です。そんな初期資本0、知恵と勇気と行動力が、りりんりーんとなって儲けにつながる世界の価値観ってなんだろう?

話は横飛して、Visual ArtsのゲームブランドKeyにRewriteってゲームがあります。そのエンディングの1つに、生命力を価値基盤とした社会ってのが出てきます。その世界は、寒冷化などで人間文明の存続が難しい環境にあるのですが、人間の生命力を物理的な力に変えたりする技術が生まれることで、人間社会が維持できてる世界です。ブルトーザみたいな重機や自動車、そして気象制御まで、すべての動力源が”人間の生命力”。生命力を使うほど余寿命が短くなる、だから、生命力を使い社会に貢献する人は尊敬の対象となる、そんな社会。もちろん、生命力を使う技術は誰でも使えるものではなく、生まれながらの資質や訓練により初めて得られるものです。

これ、石油みたいに地面に埋まっているとか、そんなものじゃないところに価値基盤なのですね。後の世に生まれてくる人間の生命力自体が資源。そして自分が持っている生命力は生まれながらに量が決まっている。それをどう使うかは、自分が考えていかないといけない。

今の時代、会社に投資をしても、その中の人の価値観やセンスで、出てくるものが5桁も価値が違うものになることは、ざらにあります。iPhoneみたいに。それはなんだろう? 人、あるいは個に近いレベルの人間集団、が価値の源泉となる、決定的に価値を生み出す核がそこになっていく、のだろうと思います。そうすると、その人達の生きている時間を使いたい、そう思うと生命力が価値基準になると。その社会を動かすための価値換算に通貨は使われるでしょうが、本質、それは運用のための道具に過ぎないと。もしもその価値を生む人達が会社から抜けたら、その会社にどれほどの資産があっても、価値のない会社になると。ジョブスのいなくなったApple、みたいに。

そんな感じしてます。人が人として、本当に価値を生み出す核として、本質の価値を所有する、そんな価値観です。

合同会社リイン、はじまります。

国際版オレオレ詐欺のメールが来ました

大学の先輩のGmailアカウントから、スペインにいるけどお金を盗まれた、2200ユーロ貸して、と英文メールが来ました。先輩は大学勤務なので、学会なのか、あるいは学期切り替わり時期で旅行なのか、あるいは拉致監禁で脅されて電子メールを書いているのかと、もろもろ想像しつつも、送金方法は?とメール返信をしたら、western union bank を指定してきました。

この経過をTWしていたところ 国際版『振り込め詐欺』、こんな感じ。 TOKU TOKU てくてく 徒然日記/ウェブリブログ と同じではと、指摘を受けました。そこで先輩しか知らない個人的な質問をしたところ、その答えは返ってこず、まさにこのページにあるテンプレートな、困ってます直ちに送って、文面が返ってきました。

大学の方に電話をかけて確認したところ、先輩は日本にいて、ウイルス感染した端末でGmailアカウントを取られたとわかり、一安心でした。

国際版オレオレ詐欺を体験してみて、もしも振込がオンラインで私が即時に実行できたとしたら、本当にたまたま先輩が海外の学会に行っていたら、個人確認の質問がFacebook等に掲載している経歴から推測可能な質問を選んでしてしまっていたら、と考えると、引っかかっていたかもしれないと思います。

電話であれば、相手の番号を聞いてかけ直すコールバックをするのですが、Gmail=個人認証完了している手段、と思い込んでしまい、他の相手確認手段を考えなかったのは、イタイ状態でした。TWしていて、指摘を受けて、冷静になれたと思います。

行動する前に一息つく余裕の重要さを思い知りました。

Xcode4.3.1のIBで、画像リソースのパス名に階層が使えない


Xcode4.3.1でストーリーボードを使う画面設計をするため、インタフェースビルダーを使っていました。画像ファイルを収めたフォルダをフォルダリファレンスで取り込み、そのフォルダ階層で画像名を指定すると、IBでは?表示になります。ですが、シミュレータで動かすと正しく画像が表示されます。
IBがリソースの階層をみていないためだろうと思うのですが、ぐぐってみても、バグ報告や回避方法などは見つかりませんでした。画面数が多いアプリをグループ開発していたら、階層なしではありがちな画像ファイル名は衝突をすると思い不便だろうと思うのですが、どうされているのだろうかと思いました。

本を書くぜ、いや、書けよ

雑文です。

ここ2週間、Mac Book Airに開いたエディタの広大な画面とにらめっこをしています。この1ヶ月でこの画面を文字で埋めて、トータル240ページ、本文4色刷りのかなり豪華な紙書籍のコンテンツを仕上げないといけません。お仕事です。
2週間たって、まだ目の前には広大な白紙が広がっています。ついでに、これiPhoneの本なので、本文にあわせてアプリも作らないといけません。単純にタイピングの量とタイピング速度の割り算で所要時間を概算すると…正直、うぎゃーと叫んで、逃げ出したいです。ホント。

原稿とアプリ作りが同時だから、もしも原稿だしてからアプリがストアの承認を通らなかったらとか、本の説明とアプリがずれたらとか、考え出したら、もう心配で目が充血しそうです。紙媒体とネットのコンテンツは、賞味期限切れがあるものじゃないと、相性悪すぎです。

本を書くきっかけは、ツイッターiPhoneのこんな本を書きたいな、といったのが始まりでした。出版社の方の目に止まり、それが打ち合わせをとおり、企画会議、そしてGo!となったわけです。出資者が決まり、日程が固まり、企画(本の目次)も内容概要も決まっていて、あとは、書くだけなんです、そう私が…

ブログは書けちゃうんです。前後関係や文節のつながり、表記の統一性、そんなものは考えずに口述のようにつらつらーっと買いちゃえばいいので。あら、ラノベならかけちゃいそう、そんな作家の方に失礼でおバカなことを、思いついてしまうくらいです。

書き出しで、いきなり仕事ですとか、本職ですとか、自分語りはじめちゃってもう大変です。そんな文章を読んでだれがたのしいっちゅうねん。

もうw

Hardware as a Serviceでいってみよう

わふ〜>ω<

個人でiOSアプリ開発をやりますといって3年目。じつはストアにアプリをそんなに出していません。個人事業主という立場だけじゃなくて、開発できますよと人の目に触れるアピールはぜんぜんしていないし、アプリは、いや、出してはるのですが、発注元の肩書きだったして、人の目には触れないのです。

でも開発でご飯たべてるんですよ

でも開発で御飯食べれているのはなぜ?というと、アプリ開発に必要なライブラリやハードウェア開発をしています。ですから表にはでないです。

いまはiOSアプリ開発者なんて、石を投げればぶつかるくらいにたくさんいます。けれど、その経歴はデザイン系、ウェブ系の方が多いです。ですからアプリを作る方はたくさんいるけれど、ちょっと工学の知識がいるとかハードウェアをやりたいとか思うと、とたんにできる人いなくなります。

そりゃ、そうでしょう。個人では収入も仕事も不安定だし、イケてるスマフォのアプリ開発会社って今はソーシャルとかゲームとか、そっちでしょう。その世界で生きてる人は、その世界に必要な技術を身につけている人ですから。その世界で使っていないハードウェアの開発者が、いるわけがない。

この状況で、アルゴリズムを理解してライブラリを作れます、ハードウェアもできます、という立ち位置でお仕事ができています。

何やってるの?

じゃ、どんな開発をしている?っていうと、1つは動画系。動画像を解析して、ここがハイライトシーンだよ、と自動処理してくれるライブラリ(大学の研究成果のiPhoneポーティング)や、ぐーちょきぱーの手を検出するハンドジェスチャ等の、カメラ、動画解析のライブラリを担当しています。画処理の開発をうける人って、いないから、案件も面白いしチャレンジングだし、自分自身の学ぶところも多くて、これは楽しいです。

もう1つは、ハードウェア系。あとは、スマートホンにない機能を補う、あるいはスマートフォンをちょと拡張するハードウェアの開発をしてました。この3ヶ月はこちらが主力でした。例えば、
こんなの。イヤホン端子にドングルをさして磁気カードをスワイプすると、その情報が読み出せるドングルなのですね。音声帯域信号の解析で磁気カード読み出しなんて20年以上前からある技術で、もう特許なんかはるか昔に切れているし、誰でも作れるんじゃね?と思われるんですけど、実際に作ってみると、ぴー(秘密)、という問題もあり、使えるものにするにはちょっと工夫をしました。

そんなのどこでもあるんじゃね?

昔から磁気カードリーダを作っている会社も、いまどきスマフォの波に乗れと、スマフォにつながる磁気カードリーダを作ってるんです。それら製品を自社サービスに使いたいと聞くと、完成した製品を使ってくださいカスタム開発は対応できないです、とか、APIの決済会社は固定されていて変更はできませんとか、パッと見使えそうなのに、痒いところに手が届かなくて、自社で使うには微妙(使えないわけではない)だったりします。

スマフォな社会にあわせて会社を設計する時代なのかな

昔から磁気カードリーダを作っている会社からすれば、そりゃ、ハードウェアを売ってそれで儲けてきたのだから、スマフォになっても同じ程度の利益が出せまいと、って思いますよね。そうすれば、外部筐体を含めた完成品を買ってください、割りに合わないカスタム開発はうけられません、となります。それに昔からの取引関係があるから、決済会社はここだけ対応だよ、ってなっちゃいます。

でもね、スマフォに対応って、ハードがスマフォになるだけの変化じゃないです。周りの環境も、ものすごく変わってて、そのなかの1つがスマフォの流れ、なのですよ。例えば決済1つとっても、PayPalとかオンラインにあわせて最初から設計された会社があって、その会社の決済手数料なんて4%くらい。昔から決済サービスを提供している国内会社に比べたら、ものすごく安いし、高い手数料に見合う付加価値を国内会社が提供しているわけじゃない。それ用に設計された会社と比較することが、もう意味がなくなっちゃう。

その意味のない世界の中で、昔ながらにやってきた会社が開発したものが、使いやすいわけはないだろうと、なっとくします。

今の時代にあわせて開発すると、受託じゃなくてHardware as a Serviceじゃなイカ

こんな感じでこの3ヶ月はハード開発をしていて、いい感じの流れだなと思って、終わって見返すと、この流れは受託開発とも違うきがします。発注と納品の流れを図にすると:

Aがよくある受託開発で、依頼主からの発注を受けて開発して成果物を納品する流れです。成果物に対して依頼主から開発者に報酬が支払われます。納品後は、メンテナンスあるいは機能拡張のたびに、発注と納品を繰り返していきます。

これに対して、今回のスマートフォンを拡張するハードウェア、あるいはスマートフォンに無い機能を補うハードウェア(磁気カードリーダはこの分類になります)の開発はBの流れになります。依頼主から開発者に、必要な仕様をだしてもらい開発した成果物を、ライセンスという形で依頼主に渡します。依頼主はその成果物を使って自社サービスを展開します。開発者は、成果物それ自体の権利を持たせてもらい、他社にもライセンスをしていきます。ライセンスの方法は、期限を設定して特定分野で占有するものや、制限なく利用権利のみを得るものを、組み合わせます。

また他社の要望に合わせて機能を拡張したとき、また不具合を修正した場合は、同じくライセンスをした他社にも、(ラインセンス費用は別個に設定するかもしれませんが)その機能を提供していきます。開発元に権利を持たせてもらい、開発元がプラットホーム化して共通基盤としてハード(とそれに伴うソフト)をすぐに使える状態で提供していきます。

依頼主にとっての利点は:

  • 求めるものを初期開発費用を少なく手にできる
  • 保守や機能拡張に全額費用負担がいらない(かもしれない)

開発者には:

  • 1回の開発が何度も収入になる
  • 特許のクリアや筐体設計などの納品の後プロセスで発生する情報ももらえる

があります。

これが成立する条件:

  • ニッチ(単価 < 1000万円、既存組み込み会社が手を出すには小さすぎるところ)
  • どの開発者に頼めばいいか分からない (だれでもできるわけではない)
  • ハードウェア自体には価値がない

今回の開発だと、サービスを使ってもらうために(実質)無料でハードウェアを配ることになります。従来のハードウェア販売で利益を得たい目線では、この商売に付き合いにくいです。また受託開発では、自分は納品がゴール、相手はサービスインがゴールになり、利益を得るタイミングと目標がずれるのも、うまい組み方ではないと思います。

開発成果物を実際の事業で使かうには、納品後にいくつかの追加プロセス、知財チェックと筐体等の追加ハードウェア設計、が必要です。1回開発したものを他社へのライセンスでは、これらのプロセスまで通ったことを確認した状態で提供できると、その時間と費用の削減効果があります。

わふわふ個人規模事業と法人化

はじめに

フリーランスの3年目にはいり、事業を継続してやりたいと思うと、法人が欲しいと思うことがあったので、その経過となぜ必要なのかの分析、そしてどう動きたいのかをメモします。事業規模は社員数1桁台、事業目的は私個人が事業を楽しむことの最大化です。

今の商売内容

私の商売内容は、iPhoneのアクセサリやハードウェア開発、そして画像処理や動画像解析のアルゴリズム開発とその実装、イヤホン端子を使うデータ通信ハードウェアの開発など、”だれでもはできない”、"考えついた人はいただろうが商品としてはまだなかった"、ところの研究開発と試作です。いまのところハードウェア寄りの案件が多いです。

商売内容の特徴

商材はミドルウェアになります。アイディアを実現するための鍵ですが、案件個別でカスタムすることなないか、小さい、ソフトウェアおよびハードウェアのセットになります。ですから、特定案件向けに開発しても、それをそのまま他社に再販することが可能です。
例え開発のきっかけが受託案件であっても、アプリ開発ミドルウェアでは、再利用のしやすさが全く違います。開発スタート時点で、顧客の要望にあわせて一品物で作っていくアプリ受託開発では、画像やソースコードの再利用は意図していないとできませんが、ミドルウェア開発は別の方にお任せするアプリ開発との繋ぎこみ部分を最初から考えて作るので、自然と再利用可能な形にできあがります。

いまどきの開発展開

個人という立ち位置もあると思うのですが、取引先はこれから起業する方、クリエイタ集団が多いです。
アイディアや作りたいもののイメージがあるが、それを形にするところで人を探している、場合に私がヒットしてツイッター等で問い合わせをされるパターンが、最近の流れです。このような開発では、当初の資金規模はあまりなく、事業計画やその将来性が大きな価値を持っている状態でスタートすることになります。(話がずれますが、いまどき銀行からお金を借りて起業する人はいない、をリアルに目にできたのは、いい経験になっています。)
ですから、開発といっても、予算規模は小さいです。また事業展開に必要な道具を求めているので、その実現方法がソフトにするかハードにするか、製造コストや展開のしやすさなど、事業に合っているかまでを聞いて最適案を提案する、技術についてはコンサル的な立ち位置も取ります。
これらの方々が求めているものの要素は、共通化できるものではないので、思いつくまでに列挙すると:

  • iPhone単体ではできない+アルファの機能が欲しい
    • Bumpみたいな、iPhoneがあればできるアイディアで事業は考古学の時代
  • 形状識別など、見た目に違いが強烈に伝わる、他社が持ってないかラインセスしているところがない、画像処理アルゴリズム
  • おもちゃとかおもしろさの単品開発に必要な、イヤホン端子通信とか

iPhone単体で実現できるアイディアはこの3年で出尽くし、そのいくつかは起業になったでしょう。ですが、出尽くしたのだろうと思います。またiPhone以前の昔からあった、例えばソーシャルゲームなど人間の群れのなかでボスになる三国志的な競争とそこで勝つ優越感を味わせる商売、は場をiPhoneにうつしても今後も売上を上げ続けると思います。今後はiPhoneだから生まれる新しいソーシャルななにかはあると思いますが、それはソフト開発ではなくてコミュニティ構築の商売だと思います。
そんな状況で、iPhone単体を超えたプラスアルファなものを追加して生まれる価値には、 他の人にはその発想がない、あるいは発想があっても実現ができないから、1年程度は先を行ける、特徴が生まれるのでしょう。

受託のはずが、なぜかユニークになっていく

いまiPhone+ハードウェアでうれしい事業の形をまとめます。使い先により、立ち位置も価値観も違い、もしも私が会社の中で担当していたらと考えると、会社組織が足かせになる場面もあるかと思います。
1つは、既存企業ではすでに自社が持っている商品やサービスをiPhoneという切り口で新しく見せられる、そこに必要になる例えばイヤホン端子でデータ通信をするなど、今日動いている知財の調査が完了していていお金を支払うだけまで準備が整った技術を提供できることがあります。これはすでに開発が完了したミドルウェアの採用の流れで、従来の開発特化な会社でもよくあるパターンと思います。
2つは、既存企業で、ある目的をやりたいが、そのアルゴリズムすら分からない開発があります。こちらは、ある程度その分野の専門家であっても、直ぐに解決が浮かばない場合のもので、計画や見積もりがあっても着手をするとそこから大きく外れることや、したがって受託でうけると都度追加分を見積もり請求の手間が発生するタイプです。こちらは、お互いに読めないことを認めた上で、ざっとしたお金を受け取り、専門分野に過度に拘泥せず、進めていくものです。お金だけを見るとメリットが薄いかもしれませんが、一緒に競業をしながら作るという機会があること、そして何かを産み出そうと活動しつづけることになるので、その中から生まれる価値は、他にないという1点だけでも、とても大きなものになる可能性があります。予測が難しい所はあるのですが、過程が面白い上に、その先に大きな利益もあるのではないかと期待させるので、外部からリソースの使い方についての注文が入らない経営をしているならば、これは楽しいやり方になりうります。
3つめは、これから起業する場合で、その実現にハードウェアという要素を求めるものです。こちらは、相談を寄せられた時点でハードがいいのかソフトがいいのか、あるいはそれ以外の解決方法がないのかなど、事業の運営視点からの提案から始まります。私の利益を最大にするならば、私が持っているリソースを高い価値観で受け取ってもらえる方向に話をするのがいいのですが、そうせずに相手の目線で最適を提案することで、自分の想像を超えた価値観が見られ、そこから次の私のやり方につながっていく気がします。例えば、起業でハードが必要なのだけれど、それは例えばウェブのデータをリアルなモノにする加工装置で、その加工装置は事業の鍵ではあるのだけれど、装置で儲けようとは思っていない。わざわざオープンソースにする気はないのだけれど、もしも宣伝効果やお客が自身でメンテや使いこなす助けになるなら、そうしてもいいという、普通のハードウェアメーカでは前例がない発想をしたりします。こんな場所にライセンス販売の目線で参加していては、自社の成果物をオープンソースにしてくれと言われ、その場で判断返答ができないようでは、相手にとっては役に立ちません。ですが、考えなおすとハードウェア開発を目的で作ったとはいえ、それを公開してしまって、そのハードとからむウェブやアプリのリソースのほうをライセンスすると相手の目線から見直すことで、自分の立ち位置が変えられます。次にこの流れが、その視点ならばうちでも使いたいと、次のお客さんにつながっているのかもしれません。

個人だけだとやりにくくなってきた

これまでだと、相手もお金があるわけではななど事情があるので、個人事業主に開発を出すパターンでもいけました。逆に、個人で受けているので、計画外の経費でも都度相談せず個人の方で吸収したり、逆に並行している他の案件が切羽詰まって納期がぼんやりとしてしまう状況もある程度は許していただけたのかな、というところもあります。
ですが2年ほどやっていて、成果として形ができて、利用可能なものにまとまってくると、その知財や権利の所有者と、それを売る場所が必要となってきました。この1年間は、役員として会社に入らせてもらって、そこに技術を種として提供して、商品化を会社という中でいっしょにやり、売れて利益が出たら分配しようという形で、法人の着ぐるみを借りられていました。ですが、その技術のタネ自体を扱うとなると、それを権利委譲しても、そこからの開発カスタムや発展させていこうとすると、もともとその目的で作られている法人ではなく、また私が楽しみたいという欲望を満たすために私が制御したい欲があります。
さらに対外でも法人が必要な場面がでてきました。例えばですが、iPhoneのアクセサリ開発のMFiへの参加、あるいは電波を発信する機器の許認可申請など、費用も含めて個人の肩書きでは、やりにくい場面がでてきています。

いまどき開発、何が価値があるか

今の自分の立ち位置を見直すために、ながながと、現状、を書いてみました。過去のことは明日に活かしてこそ価値があるので、じゃ、今日からはどうしようかを、まとめてみるとなのですが:

  • リスクの高い研究開発
    • 先が見えません。ある程度の初期費用でお互いに納得して、そこから先はお互いに手弁当状態で利益が出るところまでやりきると考えて、ぼちぼちやる感じ
  • ハードウェアの開発とライセンスなのにオープンソース
    • 相手の事業ではハードウェアが必須だけど、ハードウェアを売りたいわけではない場合がほとんど
    • ひょっとしたらオープンソースにしたらメリットがあるかもしれない
    • ならば自社がハードを核にしていてもハードを使うためのライブラリ、アプリ等、そのプラスアルファの部分を利益として、そのためにハードをオープン化する
    • 例えハードがオープンでも、製造、検査、出荷、のプロとしての仕事が事業が要求する
    • 結局、果たす役割がそこに生まれる
散文ですが

思いつくままに書き散らしてみました。いまある会社組織で動いていれば、今までの産業のなかで稼ぐことができると思います。私は今の時代に稼ごうとするので、いまの時代にあわせて組織から作ろうとしています。ですから、こんな感じになっているのかもしれません。

とりあえずの執筆環境のメモ

今年は執筆活動をしようとしています。第1弾として、iOS5から新しく対応になったBluetoothの機能を電子書籍で、iPhoneで物理実験を楽しむ大人の科学的な雰囲気のものを紙書籍で、それぞれ7月までに出す予定です。
初めての執筆なので、資料をどう集めるとやりやすいか、テキストは何で書こうかと、書き始める前のやりやすさの追求とそのための道具選定ばかりやっていたのですが、結局は、いつも文章を書いている環境が落ち着くという、なんとも時間の無駄のような結論になりました。
今の執筆道具には、紙のノート、SHOTNOTEのメモ帳、そして付箋を使っています。ペンで手書きが一番なじむ気がします。手書き画像の取り込みにスキャナもあるのですが、スキャナを起動して取り込んでという作業中に、なにをやっていたか忘れがちなので、iPhoneの写真撮影だけで手早く取り込めるSHOTNOTEを使ってみています。
本を書く流れは、PDCA、計画→やってみる→確認→やり方を改良する、の流れでやろうと思っています。今は計画にあたる目次とその構成と組立ての段階です。どういう順番が分かりやすいか、また飽きないかを考えながら、あーでもない、こっちがいいか、とひねくりまわしています。本編が進むわけではないので、時間がもったいなくも思うのですが、今まで読んだ本を思い出すと、目次の出来が内容の7割を決めいそうなので、じっくりとやっています。
受けたお仕事がすべて完了はしていないのですが、こちらは集中してN時間かければできる、ものとは思えないので、ぼちぼとやっていこうと思います。